大量の個人情報流出があり大騒ぎになっているベネッセ。当初2000万件と言われていましたが、ここへきて2260万件と、もうよくわからないことになってきています。
ベネッセ「ウィメンズパーク」でも情報流出 総数は2260万件に
そして、叩けるネタがあれば何でも乗っかるマスメディア、具体的には朝日新聞が、このほど情報流出についての電話対応を外注していることについて若干悪意を込めた記事を掲載しました。
ベネッセ情報流出、謝罪を「外注」 派遣会社が電話対応:朝日新聞デジタル
さすがにこれは悪ノリが過ぎたのか、「やりすぎだろう」「これだけの量だったら“外注”はしかたないだろう」という感想が多かったのですが、一部の人は「外注なんてとんでもない、全て社員で対応しろ」とか「役員連中は一人ひとりに謝罪するべきだ」と乗っかっている模様。気持ちはわからないでもないのですが、冷静に考えてここは外注の一手だと思います。
目次
社員総出で全員に謝罪したとしたら
ベネッセグループの連結社員数は、コーポレートサイトを見たところ19,739名。増減はあると思うので仮に2万人とすると、一人あたり1130人に謝罪をしなければなりません。
で、一人あたりかかる時間が、あっさりと謝罪を受け入れてくれたり揉め事があったり大演説を聞かされたりするとして、平均5分程度かかるとしましょう。そうすると一人あたり5650分。94時間です。24時間不眠不休で電話をかけ続けたとしても、約4日間かかる計算になります。深夜、早朝はまずつながらないでしょうから、実際は1ヶ月で終わるか終わらないか、といったところでしょう。
もし社長1人で謝罪し続けたら
ここからは完全にありえないケースで考えてみようと思います。
もし「社長が1人1人に誠意を込めて謝罪をするのが常識だ」という意見にバカ正直に従うとしたら、1人5分ペースで謝罪をし続けたとして、1883333時間かかります。日数にして78472日。なんと214年かかることになるわけです。「実際に家に来て謝罪しろ」なんてことになったら、全ての謝罪が終わるのは24世紀くらいになるんでしょうか。
また、これをクソ真面目に遂行するとしたら、「130年後に○○様に謝罪の電話をさせていただきます。なおその時期に社長が生きている可能性は限りなくゼロなので、音声データでの謝罪となります」みたいな連絡が届くことになりそうです。
息子が「これがじいちゃんの言っていた謝罪の電話か!」と感動するようなことになるんでしょうか。というか、ベネッセが214年後も生き残っているのでしょうか。
まずは自分がやれることから対策をしよう
と、ここまで若干乱暴な計算をしてきましたが、緻密に計算をしたとしても被害者全員に対応するには途方も無い時間がかかることがわかると思います。今回は電話で考えましたが、手紙での謝罪でも印刷、封入、郵送の手配で何日もかかるでしょうし、メールだけだと「誠意がない!」と怒る人がいるので、これから年単位で解決していくことになるでしょう。
そんなわけで、自分の持つ個人情報が流出していたとして、ベネッセに怒りをぶつけても対応してもらえるまでは時間がかかることが想定されます。まずは自分ができることから始めましょう。
自分でできる情報流出への対策
- ・使っているウェブサービスのパスワードを変更する
- ・家族に変な勧誘が来ていないか確認する
- ・怪しいメールや郵便物が届いたらすぐに破棄する
老舗に近い企業でも個人情報の流出は止められない時代になったので、パスワードや暗証番号はこまめに変更する必要がありそうですね。