Kindleストアで1巻が199円で売られていたので、前々から気になっていた「東京シャッターガール」を購入。タイトルからして東京の名所を1カ所ずつ何話かに分けて紹介するマンガだろうと思っていたのですが、ふたを開けてみたら1カ所1話完結。しかも各話4〜5ページだったので驚きました。
このマンガは写真部に入ったばかりの女子高生夢路 歩(ゆめじ あゆみ)が東京の各地を訪れ、その土地その土地にある名所を撮影するというシンプルなもの。訪れた場所の歴史を紐解いてみたり、文学作品から訪れた場所の描写を引用してみたりと、最大で5ページながらマンネリにならないよう工夫がなされていて、サクサク読み進めることができます。
特に1つ1つの話がリンクするわけでもなく、大きな盛り上がりも衝撃のオチもない、良い意味で淡々としたこのマンガ。何かに似てるなーと思ったら、「孤独のグルメ」でした。訪れる場所が神田とかトキワ荘通りとかとにかくシブいところが多いところとか、背景の描写がうまいところとか、「東京シャッターガール」というタイトルなのにカメラについての蘊蓄や撮影の仕方についてのこだわりなどがほとんど出てこないところとか、まさに孤独のグルメ。肩の力を抜いて読める内容だけど、手を抜いているわけではないのでついつい読み返してしまう。そんなところもそっくりです。
というわけで、二代目ゴローちゃん夢路歩が東京を歩き回る「東京シャッターガール」。撮影に適した場所のデータベースとしても、散歩のネタとしても楽しめるので、ポチッと一冊、どうでしょうか。