「成功者」と呼ばれる人は、表に出ているもの、いないもの含め数多くの失敗をしていると言います。失敗は成功の母、失敗は成功までのプロセスの1つと、失敗については数多くの格言も生まれています。
しかし、失敗を成功に繋げられる人はごくごく少数。世の中の大半は成功まで辿りつけません。私も失敗が失敗のまま終わってしまうことが多々あり、「成功する人と自分の間にはどんな違いがあるのだろう?」といつも気になっていました。
そこで、先日失敗を成功に繋げた経験が多い方にお話を聞き、「失敗を成功につなげる4ステップ」を導き出しました。失敗したときの心構えや成功哲学みたいな本やネットコンテンツはたくさんありますが、失敗を成功につなげるための方法はあまり世の中には出てきません。
この記事が私を含め、同じ失敗を繰り返しがちな方の役に立てば幸いです。
目次
失敗は素直に認める
最初に、失敗を成功につなげるための道のりは「失敗は失敗である」と認めることから始まります。
営業の数値目標が達成できなかった、納品日に間に合わなかった、予想をはるかに下回る集客しかできなかった…これらは全て失敗です。途中でインフルエンザにかかって稼動日が減ってしまったとか、チームメンバーがギリギリでデータを全て持ちだして逃げたといった説得力がある理由があっても、失敗は失敗なのです。
まずは失敗したという事実を言い訳せず受け止める習慣を身に着けましょう。
失敗を引きずるな
失敗を認める重要性をわかっていただいたところで、気をつけてほしいことが1つ。引きずりすぎないようにしてください。
失敗を繰り返しがちな人は1つの失敗をいつまでも引きずります。そして、他の仕事に引きずった感情を持ち込み、さらに失敗を増やしてしまうのです。みなさんの周りに、「この前100万損失出しちゃって…」と全然関係のないプロジェクトの失敗話をしながらあまり働かない人がいないでしょうか。その人がまさに失敗を繰り返す人です。
一方で、失敗を成功に繋げられる人は、失敗した時にヘコむことはヘコみますが、次の日になれば「まあ仕方ない!次だ」と次の一歩を踏み出せる精神力を持っています。具体例としては、野球のクローザーでしょうか。優秀なクローザーは、自分が打たれて負けた瞬間はヘコみますが、次の登板では何事もなかったかのようにいつもの力を出して抑えると言われています。
失敗を引きずることは自分にとってだけでなく、周りにも良い影響は与えません。認めることは大事ですが、いつまでもうじうじとしないようにしましょう。
失敗の原因を徹底的に検証する
失敗を認めることができたら、検証を始めましょう。検証を始めるタイミングは早ければ早いほどいいです。極端な話、「くそー!」となった瞬間に始められれば理想です(なかなかできないことだとは思いますが)。
失敗の検証、となると範囲が広すぎるのでここでは「ECサイトのリニューアルをしたら、PVも売上も減ってしまった」という具体例を元に検証することにします。
デザインもきれいになったし、クライアントからも使いやすいと言われて自信を持ってリニューアルしたはずが、訪問客も売上も減った。これはもう明確な失敗です。クライアントから詰められてさぞかしヘコんだと思いますが、前を向いて原因を探っていきましょう。
リニューアル前後の変化を書き出す
まず、リニューアル前後で起きた大きな変化をまとめてみたところ、以下の2つの変化が起きていることがわかりました(実際はもっとたくさん出くるはずですが、記事が長くなりすぎるとアレなので2つにさせてもらってます)。
・大人っぽいサイトにしてほしいと言われたので、メインカラーを青から黒(モノトーン)に変更した。
・商品写真をたくさん並べてほしいと言われたので、30件ずつの表示を100件ずつに変更した
考えられる失敗の原因を書き出す
さて、起きた変化はわかりました。次はこの変化から考えられる失敗の原因を書き出していきましょう。
・デザインがターゲットユーザーが求めているものではなかったのでは?
→実はユーザーは青が好きだったのでは?
→青以外のカラーでターゲットユーザーが好みそうな色があるのでは?
・写真が増えて読み込み時間が長くなり、ユーザーが離脱しやすくなったのでは?
→遅い回線でも問題なく表示されるかテストしたか?
→読み込み速度は検索順位に影響するので、順位が下がったかどうか調査する必要もあるのではないか?
さらに突っ込んで根本的な原因を導き出す
ここまで起きた変化、変化から導き出される失敗の原因を考えてきました。しかし、それだけでは成功に繋げられることはまれです。ここでさらに突っ込んで、本質的な原因を導き出しましょう。それが成功につなげるカギになります。
今回の具体例では、失敗の原因を掘り下げていった結果「ディレクターがクライアントの言うとおりにしすぎた」という根本的な原因が見つかった、というオチにしましょう。なんとなくあっけない幕切れ感がありますが、真剣に掘り下げると意外とこういったケースは多くあります。
検証結果を元に成功への道筋を考え、共有する
根本的な原因が見つかると、成功への道筋が見えてきます。最後のひと踏ん張りなので、頑張っていきましょう。
まず、今回のECサイトリニューアルの失敗は、クライアントの要望を受けた時に「ターゲットユーザーが若年層なので、大人っぽいデザインはやめておいた方がいい」とか「スマホで見る人が多いから読み込み速度を早くするために写真は表示しすぎない方がいい」といった提案を最初にしていれば、防げた可能性が高かったでしょう。
次に、人員配置が適切だったかどうかを考える必要があります。失敗の原因となってしまったディレクターはディレクションの経験が少なくてクライアントの要望を鵜呑みしてしまったのか、それとも販売している商品に詳しくなくて具体的な提案ができないままリニューアルしてしまったのか、はたまたクライアントがすさまじくわがままだったのか。あらゆる角度から検証しましょう。
最後に、検証が終わったら1つ1つの問題の解決法を考え、チーム全体で共有するようにしましょう。「この手の商品を売っているサイトは大人っぽいデザインにしてはいけない」とか「説得力のある材料があれば、ディレクターは怖がらずにクライアントの要望をはねのけていい」といった“失敗から得た学び”を共有することで、同じ失敗が起きる可能性は劇的に小さくなります。
この情報を共有したメンバーは、似たようなリニューアル案件が来た時にきっと成功をおさめることでしょう。
まとめ
失敗を成功に繋げる方法、いかがだったでしょうか?
今回の具体例のように失敗の原因がたった2つで終わることはまずありませんが、失敗の規模が大きかったとしても、関わる人が何百人もいたとしてもやるべきことは変わりません。時には年単位で検証する必要がある失敗に直面することもあると思いますが、粘り強く取り組んでいきましょう。
最後に、失敗を成功につなげる方法をもう一度おさらいしましょう。
- 1:失敗は素直に認める
- 2:失敗の原因を徹底的に検証する
- 3:検証結果を元に成功への道筋を考え、共有する
この3ステップを踏むことで失敗の数が減り、成功する可能性が少しずつ上がっていくはずです。同じ失敗を繰り返しがちな人は、ぜひ参考にしてみてください。