12月12日に発売された雑誌QUOTATIONの特別号「市橋織江の現在」、とても面白かったです。
今までの仕事の紹介と、一緒に仕事をしたことがある人との対談、そしてインタビューというシンプルな構成でしたが、1つ1つの仕事、言葉に重さがあり、かつ市橋さんの写真への情熱、仕事に臨む姿勢が丁寧に描かれていて、一冊丸々使って1人のクリエイターを紹介するということで多少は内容が薄い部分も出てくるんじゃないかと心配していたのですが、退屈になることなく一気に読みきってしまいました。
目次
幅広く仕事をしていることに驚き
市橋織江というカメラマンの存在を知ったのは「Paris」という写真集でした。
Amazonのリンクのサムネイルでもわかると思うのですが、エッフェル塔がぽつんと写っているこの表紙にやられてしまい、当時あまりお金もなかったのに即買ってしまいました。それくらい、この写真が素晴らしかったのです。
その後、個展に足を運んだり、他の写真集も買ったりして、市橋さんの写真は一通り見たんじゃないかな、と思っていたのですが、今回この雑誌を買って、市橋さんがどれだけ多くの仕事に関わってきたかを知り、驚きました。
特に驚いたのが、満島ひかりが「ファイト!」を歌って話題になったカロリーメイトのCMの撮影をしていたということ。「いやー、良いCMだな」と思っていたのですが、撮影していたのが市橋さんと知って驚きました。
他にも雑誌「ダ・ヴィンチ」の表紙撮影もしていたとか、とにかく仕事の幅が広くてびっくり。QUOTATIONには今までの仕事が網羅されているのですが、とにかく作品の数が多いこと多いこと。仕事を依頼した経緯が書かれているものが一部あるのですが、ほとんどが「市橋さんなら…」という信頼度高すぎな理由で、改めて市橋さんのカメラマンとしてのすごさを知ることとなりました。
対談が充実
この雑誌はアホみたいに対談が充実していまして、というかそのせいで6割くらいが活字だらけのページになっているのですが、対談相手も高崎卓馬、大宮エリー、箭内道彦と非常に豪華。全部仕事を一緒にしたことがある人ということで、仕事に対しての考え方や思い出にはじまり、「なぜデジタルはやらないの?」という誰もが気になっている疑問が出てくるなど、義務的に答えるような内容が一切なく、読み応えのある対談ばかりです。
他にも「市橋織江を紐解く100の質問と100の答え」なんていうのもあり、一人のクリエイターの特集としてはもうこれ以上ないくらいの充実っぷり。というかカメラマンの特集なのに活字だらけというのもなかなか斬新だなと…
ぜひ、立ち読みだけでも
なんというか、久しぶりに心が震える特集を読んだ気がします。「市橋さんの素晴らしさを伝えたい!」という編集部の熱意がそのまま紙面に出てきた感じ。市橋さんのファンはもちろん楽しめますし、知らない人でも素直におもしろいと思える一冊になっています。
もし本屋で見かけたら、手にとって立ち読みだけでもしてみてください。たぶんそのままレジに持っていってしまうと思います。
日販アイ・ピー・エス
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追記:雑誌がおもしろかったので、個展も観に行ってきました。
箱根彫刻の森美術館に「市橋織江展2001-2013」を見に行ってきた