マニアックなマンガが揃っていることで有名な渋谷TSUTAYAの7階コミックコーナーにて、ずっと気になっていた「よるくも」を購入。さっき4巻まで読み終えたのですが、おもしろすぎです。なんで今まで放置してたんだ自分。
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第1話から重い
よるくもはどういうマンガか?というと、Amazonの第1巻の紹介文を借りると
舞台は「街」「畑」「森」の三層からなる「世界」。殺し屋の青年「よるくも」は最下層「森」で生まれ育った。ある日、よるくもは「畑」の飯屋の働き者の娘キヨコと出会い、飯の面倒を見てもらうことになる…。
と結構あっさりとしているのですが、そこはマニア好みのマンガが揃っているIKKI。第1話からイッちゃってるストーリーが展開されます。第1話でよるくもが仕事、つまり殺しをするシーンがあるのですが、ターゲットとなった2人の殺され方が切なすぎてつらい。お試し版が店にあればそのシーンが見られるはずなので、そこで精神的にきつそう、と思った人は読まないほうが良いかもしれません。
2巻以降は精神弱い人禁止
このマンガは本当に何も知らない無垢なよるくもと、多少のことがあってもめげず明るく振るまうキヨコの関係を楽しむものなのかなー、と思いながら読んでいくと、第2巻以降痛い目に合います。
1巻で2人の関係が少し良い雰囲気になってきたと思ったら、2巻以降はジェットコースターのように次々にキヨコに不幸が襲い掛かります。なんというか、描いてる人の精神面を心配してしまうほどのストーリー展開。読み進めたくないと思ったマンガは久しぶりというか、たぶん初めてです。
メンタルは2巻で瀕死になり、3巻でオーバーキル。というか、寝る前に読んじゃダメ、絶対。Kindleとかで買うなよ、絶対買うなよ。寝られなくなって後悔するぞ。
絶望過ぎて小さい希望が大きく見える
3巻まで読んだところでほぼ抜け殻になり、ヘロヘロ状態で4巻を手に取ったら、まるで読んでる人たちの顔を描いたような絵が表紙にドーン。
実際マンガの中の主人公達もこんな感じになっているのですが、4巻では一筋の光明が見えます。いや、実際は光明でもなんでもないんですが、小さいけど読者が勝手に大きくした希望と、このマンガ全体を貫く絶望がぶつかり合う感じ。クライマックスのようでまだまだ続きそうな展開にやきもきしているうちに、4巻は終わります。5巻は今年6月頃に出るようですが、読者の希望としては早く終わってくれの一言(褒め言葉です)。
いやー、久しぶりにガツッとくるマンガです。グロ連発で恐怖感を演出する、みたいな逃げ方をせずに絶望感を演出しているところが自分の琴線に触れました。「最近のマンガはつまらなくてね…」な方はぜひ一度読んでみてください。