昨年、不正アプリやステマや横領や人気社員の相次ぐ退社などなど、数々のやらかしにもめげず上場を強行し話題となったAppBank。今年は「モンスト攻略」アプリのリワード分の利益が丸々なくなった悲惨な決算が予想されていますが、YouTubeチャンネルを活かしたメディア事業で巻き返せるのではないかと言われています。
しかし、冷静にデータを見るとメディア事業もどうなんだという状態に。特に稼ぎ頭とされている「マックスむらいチャンネル」がやばいことがわかりました。以下にまとめましたので、「マックスむらい(AppBank)って宣伝効果あるの?」という疑問を持っている方はぜひご参考ください。
※今回の記事の作成にあたってTOP YouTubersというサイトの数値を参考にさせていただきました。TOP YouTubersさん、ありがとうございました!
目次
月間再生数は8ヶ月で半分に
最初に、いまマックスむらいチャンネルがどれくらい再生されているかをチェックしてみましょう。
Oh…
なんでしょうかこの美しい右肩下がりのグラフは。去年の5月は約6000万回あった月間再生数が1年も経たずに半減。ちなみに1月は2980万回と3000万を切りました。3000万ってじゅうぶんすごい数字なんですが、減りに減った後の3000万というのはかなりネガティブな数字です。
ちなみに、あれだけオワコンオワコン言われてるHIKAKINさんのHIKAKIN TVは波があるものの、1月は約9600万回とトリプルスコアで圧勝。2015年5月時点ではいい勝負だったのですが、もはや相手になっていません。
しかしあれですね、これだけわかりやすい右肩下がりだと、コーポレートページの「事業紹介」にある「今日本で一番伸びている動画メディア」は虚偽記載だと言われても仕方ないんじゃないでしょうか。
これでも一番伸びてるって言えるんですかね。
「今日本で一番伸びている動画メディア」はYouTubeにかかっているという言い訳はできそうですが、このキャッチフレーズに騙されて提携の打診をする会社さん、少なくないと思うんですよねぇ…。
2016年からチャンネル登録者数マイナスの日が目立つ
次に、チャンネル登録者数の推移を見てみましょう(グラフは1日ごとの増加数を表しています)。
Oh…
こちらも右肩下がり。というか2016年からマイナスの日が次々と。ちなみに1月の登録者数はたった814人増でした。これは大変なことです。
どれくらい大変なことかというと、マックスむらいチャンネルは日本のYouTubeチャンネル登録者数ランキングで6位なのですが、トップ10に入っているチャンネルはこのチャンネルを除き全て1月は1万以上チャンネル登録者数が増えています。このペースだと2月は7位に後退することは確実です。
というか、YouTubeでチャンネル登録者が減る日があるのって相当なことなんですよ。だってみなさん、一度登録したチャンネルってわざわざ登録解除しないでしょう?わざわざ面倒くさいことをしてでも登録解除したい人の数が増加分を上回る日がひと月に何日もあるって、異常としか言いようがありません。
ちなみに、マックスむらいチャンネルは1月は134本の動画をアップしています。134本アップして、登録者数は814人しか増えなかった。しかも再生数も伸びていない。恐ろしい効率の悪さに社内だけでなく取引先も震えているんじゃないでしょうか。
なぜここまでの不調に陥ったのか?
2014年、Googleが「好きなことで、生きていく」キャンペーンを展開した時には日本を代表するYouTuber(本人はそう自称していないが世間の評価)としてもてはやされ、これらは動画だ!と他社も本腰を入れて取り組むきっかけを作るくらいの影響力があったマックスむらいさん。しかし2015年は徐々に話題性を失い、今年はチャンネル登録者数減少の危機に見舞われています。
あれだけあった人気が、なぜたったの1年ちょっとでここまでなくなったのでしょうか?
ステマ疑惑(というかステマ)
最初に大きなダメージを負ったのは、ブロガーの山本一郎さんによるステマ告発(問題提起に近い)でしょうか。
AppBankが上場承認されましたが、ステマ記事が多いのは問題ではないでしょうか(山本一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース
ステマ問題については上記記事にほぼ書かれているので、ここでは詳しく書きません。
個人的に、マックスむらいさんが人気YouTuberから疑惑だらけのオジサンにジョブチェンジするターニングポイントはここだったのではないかと思います。
子ども相手に映画の資金をクラウドファンディングで募る暴挙
次に大きかった出来事は、急に「映画を作る」と言い出し、その資金をこともあろうにクラウドファンディングで募集したことでしょうか。
マックスむらいチャンネルを主に見ているのは、1000円払うことだけでもイベントになる子どもたち。マックスむらいさんは彼らに向けてダイレクトに「金くれ」と言ってしまったことになります。しかも目標金額は5000万と、成立したら国内最高額になる設定でした。1億円の横領がなければ余裕で自社で払えましたねHAHAHA
最終的に約690万を集めたのですが、途中からGACKTさんを担ぎだしたりアイドルに主題歌を歌わせたりと、あの手この手を使ってこの金額というのはどうなんでしょう。私は映画の資金集めに詳しくないのでなんとも言えないのですが。
少なくとも子どもたちはドン引きしたんじゃないかと思います。自分が小さい頃、戦隊物のヒーローに「映画を作りたいから金をくれ!」なんて言われたら見なかっただろうなぁ…と。
疑惑に答えず荒れるコメント欄
2015年は動画で人気があった社員が次々に退職した年だったのですが、動画内で退社について触れたのはコスケさんだけ。それも退社の理由はぼかしたまま「対決で勝ったら退社を許す」みたいなロケをやり、退社をネタに再生数を稼いでからリリースするという鬼畜っぷりを発揮しました。
他の社員はほぼサイレント退社。しかも上場後に出た横領のニュースが世間を賑わせていたタイミングで消えた方もいたので、当然ながら「関わってて消されたんじゃないの?」という疑惑が出ることになりました。
しかし動画でその話題に触れることはなく、Twitterを始めとしたSNSでもまるで初めからいなかったかのような態度をとり続けたため、一時期コメント欄が荒れに荒れたようです。動画の低評価も増え続け、この雰囲気にやられて離れてしまったユーザーは少なくなかったことでしょう。
疑惑の一部は調査が終わるまで公表できないとか、いちいちそんな動画上げる必要があるのかとかいろんな事情はあったのだろうと思いますが、
UUUMの攻勢
最後に外的要因として、YouTuberのプロダクションであるUUUMの好調が挙げられます。
設立当初は「YouTuberのwwwプロダクションwwww」と大草原と嘲笑が入り乱れていましたが、管理しているUUUMネットワークに所属しているチャンネルの月間再生回数はいまや2億回。
UUUMネットワーク 開始から1年でチャンネル月間総再生回数が2億回を突破!
コラボの事例も増え続けていて、2016年は天下を取りそうな勢いです。
これだけ好調で、かつ目立った不祥事がまだない状態だと「YouTuberだとマックスむらいが宣伝効果あるって言ってるけど、最近評判悪いからUUUMの誰かに頼むかな」と考えなおす会社も出てきてるんじゃないでしょうか。
まとめ
再生数は右肩下がり、登録者数は月別集計での“純減”が現実味を帯びてきたマックスむらいチャンネル。不調に陥った理由は上記で述べた通りいくつもありますが、要約すると「大小様々なミスを重ね、それをごまかすことを繰り返していくうちに信用を失った」ということでしょう。
んで、こんな大変な状況で、昨年うん千万投入して制作した映画(というか公開されるのYouTubeだけだけど)が今週末に公開と流れもタイミングも最悪。別に映画を作ることは悪いことじゃないし、このチャレンジがYouTubeの可能性を広げるきっかけになるかもしれないですが、だったら公開に備えて色々と段階踏んで盛り上げていけよと言いたくなります。
おそらくこのまま運営方針を変えずに進めると再生数は下がり続け、マックスむらいチャンネル、というかAppBankのメディア事業は今年のどこかで暗礁に乗り上げることになるでしょう。疑惑は減るどころか現在進行形で増え続けているので、それに縛られて発言や行動も制限され、内部から崩壊する可能性も少なくありません。
このままUUUMの攻勢に押されて消え去ってしまうのか、それともどこかで全ての疑惑をまとめて払拭し返り咲くのか。2016年のマックスむらいチャンネルの動向から目が離せません。
ぶっちゃけどうでもいいけど。
追記(2016.3.21)
最近この記事のアクセス数がやけに多いなと思っていたら、某掲示板で取り上げられていたようで。見つけてくださった方ありがとうございます。